|
会計事務所と顧問先をむすぶCLUE 第108号 |
||||||
| ≪CONTENTS≫
●今月の特集・・・ 『〜テストを見直さない子供は成績が悪い ●経営・財務・・・・ 『えっ!こんなに簡単だったの? |
||||||
|
「経営会議入門【7】
【1】経営計画における会計の位置づけ
経営計画と会計はどのような関係なのでしょうか? 経営計画は経営陣の単なる夢になりがちです。しかも夢を追うだけでは画餅に終わってしまいます。 そこで登場するのが会計です。経営計画を経営者の絵に描いた餅に終らせないためにも、経営計画に実際の会計制度でつかんだ月次決算数値との検証を行う必要があるのです。経営者の計画と実際の経営成績との差異、その原因を分析し、その是非を検証し、経営判断に役立てるのです。また、経過月実績と未経過月予算から正確な決算予測ができれば、目標利益を超えた黒字を節税対策や新規投資等で検討できます。仮に赤字決算予測となれば、経営陣は何とか黒字にしようと創意工夫や知恵を出し合うことでしょう。 会計の本としてはベストセラーになった『テストを見直さない子供は成績が悪い』…ここでいうテストとは経営計画で、見直すとは月次の決算書との差異分析に他なりません。『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか? 』では、経営計画と会計の役割がうまく書かれています。経営計画は日々の会計と結びついてはじめて活かされることが良く理解できます。優秀な経営者は、堅実な経営計画に正確な月次決算で会社の現実をしっかりつかみ、その後の経営判断を間違えません。 【2】経営計画と月次決算 企業の一般的な寿命は通常10年程度だと言われています。何も手を打たなければ会社は10年で倒産・廃業に至ってしまうとのことです。そのような時代に勝ち残りの決め手となるのが、経理を経営に活用した【経営会議システム】です。 現在、仮に100の企業があるとしましょう。これが10年後には、市場競争の激化や放漫経営によって10社も生き残れないと言われています。すでに、リストラや事業転換に乗り出している企業もありますが、これからの10年、企業の生き残りの決め手となるのは、全社的な創意工夫(経営体質の改善)にいかに取り組んでいくかに尽きると考えられます。 では、企業を存続・発展する条件とは何でしょうか。その必要条件は、市場競争に打ち勝つことであり、十分条件は健全な企業体質をつくることにあります。 特に、市場競争とは、いかに付加価値を創出し、情報を活用するかがカギであり、健全な企業体質への改善は「経営数値に基づく経営意思決定」によって実現が可能となります。経理担当者や顧問税理士がもっとも力になれるのが、経理の合理化、月次決算と経営計画に基づく【経営会議システム】づくりであると言えます。 【3】経営計画から経営会議へ…経営計画だけでは決定的に不十分 「貴社では経営会議をきちんと実施されていますか」と問い掛けると、残念ながらほとんどの場合「NO」と答えられます。大企業では当然とされている【経営会議】が、中小企業で実施されていることが皆無であることに実際驚かされます。 それどころか、【経営計画】さえ満足に存在していないのが中小企業の実態です。 【経営会議システム】とは、経営者・経理担当者・従業員・会計人が一丸となって経営計画を実行するシステムであり、次の5つのサイクルで顧問先の経営体質の改善・強化を図るものです。 ![]() 【4】経営会議で予算達成度を毎月チェック ※企業の自社での経理(IT化の推進、高度情報活用、間接部門効率化)。 ※経営計画=損益計画・資金計画の作成。 ※月次決算体制(全社経理体制構築)。 ※月次定例経営会議の実施(不採算部門、不採算原因、新規投資活動等迅速な意思決定システム。計画・実績対比による異常値チェック。予想決算数値による経営意思決定の長期見通しと迅速化。経営診断、予想実績資金繰り表作成による中期資金計画)。 ※議事録作成による経営と経理のデータベース化。 【5】経営会議の目的 【経営会議】の目的は、経営計画を計画倒れで終わらせたり、「雲をつかむ計画」を立てることではありません。月次定例による経営会議を中心に会社を運営する仕組みをつくりあげることによって、企業が誰かの恣意的な判断で動くことなく、全社員の創造力の総和としての企業体質を構築することにあります。 経営会議システムは、実施企業において大きな成果をあげています。国税庁の統計では、平成17年度の黒字企業割合は約30.1%でしたが、経営会議システムを実行している企業ではほぼ100%黒字経営されています。 経営会議が黒字経営率を向上させることは明確です。自分の会社を黒字経営にするにはどうすればよいか考えればすぐに理解できます。 (1)経営者が絶対に黒字経営をするという確固たる決意を持つことです。成り行きに任せたり、社員に投げたり、あるいは世の中=景気任せでは出だしが間違っています。 (2)自分の会社の実情を良く知ることです。 1.原価率は?業界全体ではどうか? 2.一人あたりの売上総利益は?一人1,000万円として社員は多くないか?最低一人800万円の粗利=売上総利益は確保できているか? 3.原価+人件費+地代家賃は売上高の75%以内で納まっているか? 4.毎月の一般管理費は大体いくら必要か? 5.借入金は月商の3倍以内か? 6.年間の減価償却費+利益で長期借入金は何年で返済できるか? (3)堅実な売上計画と原価率による仕入・原価計画。人件費・経費は多めに、予備費をつくり、確実な経営計画=損益計画を作ります。 (4)損益計画に回収・支払計画、借入・返済・設備投資計画を加味して、予想資金繰り表=資金計画を作ります。 (5)損益計画+資金計画=経営計画で、黒字決算が可能であり、資金繰りも大丈夫かを確認します。赤字決算予測であれば、売上の上方修正、原価の切り下げ、人件費の引き下げ・人員整理、経費の削減をし、再度計画を立て直します。資金計画がマイナスになる時は、新規借入れの可能性、資産売却、返済条件緩和交渉をしてください。 (6)毎月できるだけ早く月次決算を行い、会社が計画通り進んでいるか?航路を逸れていないか?このまま推移すれば決算は?税金は?資金は大丈夫か?を定例の経営会議・役員会を開催して検証します。 (7)会議の議事録はしっかり作成します。決定事項、検討事項、指示事項等を役員全員で確認し、来月の会議までの経営の舵取りを確認し合います。 人間は自分が乗っている船が沈みかかれば、「余計なものを捨てる」「人に助けを求める」「みんなで協力する」「帆の向きを変える」――等、さまざまな行為や判断をするものです。ところが、日々の管理を怠っている企業では、「船が沈んでいるのも気が付かない」「1年後に沈むことがわからない」――ということになってしまいます。 船が沈む気配を早めに察知し、さまざまな創意をすることなくして、企業が10年後に存在しているとは確信できない時代なのです。 【6】自社のビジョン、社会的役割の大切さ…何業かを明確にする 厳しい経済環境をプラスと捉え、この環境を超える経営管理・経営者のあるべき姿。それを実行管理するための経営手法を企業に導入し、21世紀に対応する中小企業へと経営体質を改善させることこそが現下の企業経営者に課せられた役割と言えます。 現在の厳しい経済環境下であっても、成長されている企業はたくさんあります。成長する企業には、多くの特徴があります。 第一に、企業理念、「自分の会社が何をする会社なのか」を明確にしていることです。これは、一見どうでもいいことのように思えますが、是非ご一考いただきたい点です。 例えば、二つの建設会社があったとします。A社は「うちは建物を建てる会社」だと考え、他方のB社は、「快適な住環境を提供する会社」だと考えているとします。最初は些細な違いに見えますが、B社の経営者・従業員は、単に建物を建てる以上の「デザイン・日照・色・家具・庭・インテリア等」の多方面にわたり、知識・関心を持ってお客様に接するでしょう。そして、「住む人の快適さとは何だろう」と追求するたびに付加価値が生まれてきます。この付加価値の差は、企業トップの頭の中にあるのです。 次に、「企業理念、志のある会社はなぜ成長するのか」という問題があります。最近、コムスンや雪印のような違法摘発で破綻する会社がありました。また、バブルの頃、本業と全く関係のない土地・ゴルフ会員権・株式などに投資し、失敗した企業が多数あります。失敗は世の常であり、失敗したこと自体は問題ではありません。本当の失敗は、企業理念「自分の会社が何をする会社なのか」を明確にしなかったということです。飲食店を経営していた会社がバブル崩壊で大きな資産デフレを起こしました。しかし、この会社の場合は飲食店舗の自社購入であったため、金融機関・株主・従業員等の利害関係者の了解も得られ、その後10年以上きちんと飲食店を維持経営されています。 本業のための投資の失敗は、失敗とは言いません。しかし、単に儲かると思って製鉄会社がうなぎの養殖に手を出して失敗したケースなど、社員はどこで納得することができるのでしょうか。また、経営者が本業とは無関係な株式投資で失敗した場合、社員がその穴埋めのために賞与・給与を減額されて誰が納得できるのでしょうか。企業理念、自社の社会的役割を明確にしていない経営者は、甘い儲け話にすぐ乗ってしまいます。企業の社会的役割が明確であり、その実現に向けて努力と創意工夫を続ける会社が倒産するはずがありません。なぜなら倒産とは、その会社の社会的役割がなくなり、市場から退場を迫られた結果だからです。 【7】負け続けているチームは暗い…儲かる秘訣はみんなが快適であること 先に、「企業の成長とは明確な企業理念が前提となる」と言いました。では、成長とは何でしょうか。成長とは結局、経営者・社員の創造力が成長したことに他なりません。つまり、成長する企業は経営者・社員が成長しているのです。経営者・社員が成長するには、会社が成長しやすい環境でなければなりません。自分が働きやすい環境、快適な環境とは何であるかを考えてみてください。明確な企業理念、明るいオフィス、難しいが楽しい仕事、公平な人事評価、風通しの良い会社風土、お客様に目を向けたサービス、積極的な企業風土、将来に役立つ仕事の数々――というように多くのことが浮かびます。 そのような観点から見れば、「儲からないから電気を消したり、コピー用紙の裏を使う」などケチくさい会社は、さらに儲からなくなるのがよくわかります。儲からないのは、経営者・従業員が快適ではなかったからなのです。さらに快適でなくなってしまっては、さらに儲からないだけです。例えば、万年最下位の野球チームを立て直すことを考えてください。最下位で楽しくない。楽しくないからお客が来ない。お客が来ないから給与を下げる。さらにやる気をなくしてまた最下位。この繰り返しこそが、企業が破綻するパターンです。 次に、快適な会社環境を創出する経営管理手法について述べたいと思います。 【8】快適な会社環境を創出する【経営会議システム】
黒字経営を実現する【経営会議システム】
企業が快適であるためには、会社に志があること、経営者の公私混同・私利私欲を排除することが前提となります。【経営会議システム】は、企業の経営目標を経営数値に置き換え、経営計画に落とし込みます。さらに、毎月の実績数値と比較し、会社の先行きを毎月検討することによって、企業の舵取りを全社あげて実行していくシステムです。 ここでは、赤字経営に陥ることはありません。なぜなら、経営計画の段階で赤字をめざす経営者は一人もいないからです。全ての経営者は黒字経営を目標とします。次に、毎月の経営実績と予想決算をにらみながら、さまざまな創意工夫を全社的に展開します。赤字になるということは、経営者・社員の能力が赤字なのです。赤字では、赤字の役員報酬・給与しか出ません。 経営者は企業破綻時のリスクを全部背負い、社員は家族の生活というリスクを背負います。このように、お互いが適度なリスクを背負うことによって企業は成長します。リスクと成果が明確である企業は成長しますが、その前提として、経営者・社員の通信簿としての経理公開が必要なのです。【経営会議システム】はこのように計画と実績の対比、予想決算、経営数値に基づく付加価値の分配等を通して、企業活性化、企業体質改善を図る上での武器となります。 【9】社員の創造力を活性化する体制づくりが重要 今の日本は高度成長期のようなものをつくれば売れる、安い人件費で大量生産すれば儲かるという時代ではありません。堺屋太一さんではありませんが、知価主義、知恵を使って付加価値を生み出す社会になっています。そこでは人の知恵、創造力が価値の源泉と言ってもいいでしょう。最大の商品である社員の創造力を引き出すには社員が一番快適な環境の会社をつくることが儲かる秘訣です。社員の一番快適な環境とは何でしょうか。 まともな社員なら望むことは何かを考えてください。私なら以下のように考えます。 (1)会社が物理的に明るい会社 事務所・工場・店舗等1日8時間以上もいるのですから、きれいで、明るくて、空気のいい会社。 (2)経営者の公私混同・私利私欲のない会社 経営者の家族・一族が優遇され、会社の経費で経営者の個人経費が使われている会社でないこと。経理が一定程度公開されていること。 (3)厳しいが、個人の能力が開花できる、活用してもらえる会社 (4)経営者・上司の顔色を伺うことなく、また個人の思想・信条に踏み込まれない会社 (5)自己の能力を可能な限り正しく評価してくれ、成果を還元してもらえる会社 (6)社員の生活を絶対守ってくれる会社 等々、社員の創造力を活性化するには、快適なオフィス、働き易い職場環境づくりが一番大事です。直木賞作家の藤沢周平さんの随筆に、かつて業界紙の編集をしていた時、耐えきれなかったのは「経営者一族の不透明な経理」等々とありました。まじめに一生懸命働いている社員にとって、経営者が私利私欲で、脱税をしたり、愛人の手当を会社の経費にしたりしていてはイヤになってしまいます。経理を可能な限り公開し、透明度を確保することは、社員の創造力活性化の前提と言えます。
|
||||||
|
● 経営・財務 えっ!こんなに簡単だったの?
【1】新会社法で何が変わったのか あれこれ覚える必要は全くありません。まず2つのポイントで全容を理解します。 (1)取締役が1人でもよい 公証役場 … 定款の作成 ↓ 定款の認証 ↓ 出資金の払い込み ↓ 登記所 … 設立登記申請 ↓ 【新会社誕生!】 ↓ 各種届出 …税務署…開業届 ↓ …労働基準局・社会保険庁等
|
||||||
|
A.年一括払いで支払うということは、本来毎月支払う保険料を割引になる等の理由で一括して支払っているものと認められますので、月ごとに支払う場合と同様に処理することができます。 |
||||||